Herokuで本格的にアプリを運用するためには、アプリがダウンせずに動き続けているのかを監視する必要があります。
Herokuアプリの死活監視アドオンとして有名なのがPingdomですが、実は死活監視以外に様々な機能を提供しており、かなりコスパが高いアドオンです。 恥ずかしながら私自身は1年間ほどPingdomを死活監視のみで使用していました。
この記事ではPingdomでできる以下の4つの機能を事例を交えながら紹介します。
死活監視(Uptime)
Pingdomではアプリが利用できる状態であるか死活監視することができます。
Heroku単体でも監視することは出来ますが、Heroku自体が落ちてしまったら監視することは困難になります。 そのため、監視サーバーは基本的には外形監視(外部のサーバーから監視する)にするのが望ましいです。
Uptimeでは指定したURLに対して細かな条件を指定してアプリの死活監視することが出来ます。
- 死活監視の頻度(1分~60分の間)を設定できる
- サーバーのタイプをWeb(http・https)、メールサーバー、ネットワークアクセス(ping等)の3種類から選べる
- どの国からアクセスするか選択できる
- 問題があった場合の通知方法と復帰した場合の通知方法(webhook、メール) など...
アプリがダウンした場合にエンドユーザーからの連絡により判明するというのは絶対に避けなければなりません。なるべく早くダウンを検知することで復旧時間を早めることも可能ですし、ユーザーにとってクリティカルな業務の代替案を提案することも可能になります。
ユーザーアクセス解析(Real User Monitoring)
PingdomではReal User Monitoring(RUI)という機能により、エンドユーザーがアプリをどのような操作・体験をしているのかを可視化することができます。イメージ的にはGoogle Analyticsの高機能版という感じです。
- アプリにユーザー何人訪れているかリアルタイムおよび履歴が確認できる
- ユーザーが使用しているデバイスやブラウザの割合
- ページ閲覧時のユーザーの快適度をApdexという指標で確認できる
- ページごとのアクセス数のランキングを表示できる
- ページのロード時間の履歴を確認できる など...
アクティブユーザー数をリアルタイムに監視できるので、どのくらいのユーザーが同時アクセスしているのか履歴を追って確認できます。
サーバーに負荷がある時間帯とアクティブユーザー数の相関関係を確認するデータとして有益に利用できます。また、リリースする際になるべく影響の少ない時間帯は何時なのか把握することが出来ますので、ユーザー数の少ない時間帯を狙ったリリース作業を行うことが可能です。
アクセス数ランキングでは、自分たちが想定していなかったページが意外と使われていたりすることがあり、今後の改善や新機能の提案に結びつくこともあります。
E2Eテスト(Transactions)
Transactionsという機能を使うことで、エンドユーザーがアプリ上で行う操作をシナリオを組むことで自動的にシミュレーションして、シナリオが正しく動くかどうかをテストすることが出来ます。 いわゆるE2Eテストをpingdom上で簡単に組むことが出来ます。
E2Eテストというと導入と保守のハードルが高いというイメージがありますが、Transactionsを使用することでアプリ側には特段何も設定せずに、シナリオテストを簡単に構築することが出来ます。
複雑なシナリオも組もうと思えば組めるとは思いますが、あくまでもUI上での操作になりますので、弊社ではクリティカルな導線のみ取り入れております。
スピードテスト(Page Speed)
Page Speedを利用することで、様々な観点からページのスピードテストを行い、ページのパフォーマンス改善をするための材料を提供します。
弊社ではSaaSを運用しているため、ログイン後のページがメインになります。 Page Speedではオープンなページに対してスピードテストを提供していますので、弊社のようなプライベートなSaaSにおいてはあまり効果がないと判断し、使用を見送りました。
ちなみにPage Speedの簡易版は無償でも利用することができます。